これは全員に必要ではない。元気なペットの写真をそのまま飾りたい人には、たぶん要らない。ただ、1万体を超えた注文の約半分が「亡きペットをしのぶため」だった事実は、あなたの購買判断を揺さぶるかもしれない。
1万体と50%が示す、買い手の本音
DMM.comの「ちょこんとフィギュア」は、スマホで撮ったペット写真からAIと3Dプリンターでフィギュアを作るサービス。累計1万体を突破し、購入目的の約半数が亡くなったペットをしのぶためだったと、ITmediaの元記事は報じている。
わたくしはこの数字を見て、真っ先に「会議室の予約争奪戦」を思い出したわ。空室が少ないほど、人は焦って押さえる。それと同じで、思い出が消える前に形にしたいという心理が、この数字に表れている。ただし、焦りは往々にして判断を鈍らせるの。
2つの使い道:生前と死別、どちらに価値がある?
1つは生存中のペットを可愛く残す用途。もう1つは死別した子の形見。元記事によれば後者が約半数を占める。忙しいビジネスパーソンは「時間がない」を理由に写真データを放置しがち。あとから悔やむくらいなら、データ整理の一環として考えてもよいかもしれない。
ただし、ここで注意したいのは、あなたが本当に欲しいのは「フィギュア」なのか「安心」なのか。工具箱とDIYの下ごしらえに例えるなら、いきなり電動ドリルで穴を開ける前に、まず壁の材質を確認するのが先。同じように、注文前に確認すべきことがある。
3つの確認点:データ、保管、推測でしかないこと
元記事には詳細な仕様が書かれていないため、わたくしの推測も交えるが、注文前に最低3つは確認したい。
- 元の写真データの解像度とピント(一般的に、粗い画像ほど仕上がりに影響する)
- 完成品の保管場所(直射日光や高温多湿を避けるべきかどうか)
- 配送までのリードタイム(受注が混み合うと時間がかかる可能性)
これらは元記事では言及されていないから、公式サイトで必ず調べてほしい。確認せずに注文して「思っていたのと違う」では、会議室を押さえたのにプロジェクターが使えなかった予約ミスと同じ愚かしさだ。
0円で済ませる:買わない選択肢
ペットロスの直後は感情が高ぶり、形に残したくなる。だが、その前に0円でできることは多い。写真を現像してアルバムに貼る、クラウドに限定公開でバックアップする、SNSに思い出を綴る。DMMのフィギュアは思い出の「出口」の一つに過ぎない。
あなたが本当に恐れているのは「忘れてしまうこと」かもしれない。ならば、まず写真を3箇所に保存し、プリントを1枚手元に置く。それだけで、衝動買いによる後悔の大半は防げる。わたくしの4畳半だって、思い出の品で溢れさせたら寝る場所がなくなるのですわ。
半年後の見立て:あくまで筆者の推測
この市場は伸びるだろうが、あなたが今買うべきかは別問題。AI生成の精度や価格競争は進む。半年待てば、より安く高精細な類似サービスが出る可能性はある。ただし、亡くなったペットの思い出は待ってくれない。そのジレンマを理解した上で決めてほしい。
感情に素直になるのは悪くない。だが、請求書と相談しない出費は、後であなた自身を苦しめる。財布と心の折り合いをつける時間を、わたくしは否定しない。

